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我1,200kmをかく走行せり(内海太祐 2003.8 記)

*レポートは2003PBP終了後に当時のブルベ参加者メーリングリストに投稿されたものを本人の承諾を得て転載しました。

PBPから3年たって思うこと(内海太祐 2006.7.29 記)

*PBPページ作成に当たって、新たに書かれたものです。

2007年PBPについてのアドバイス
もしPBPにただ観光に行くのではなく完走しに行くつもりなら3つのことが必要だと思います。逆にそれ以外のことはオプションだと思います。
  1. 走力をつける
    ヨーロッパの人たちは余裕を持って走って楽しんで走っています。しかし、それは彼らがとても速いからだと思います。前回のPBPを見ても基礎的なスピードがある程度無いと、トラブルが起こったときに取り戻すことは不可能だという事が明らかになったと思います。ブルベは認定試験的なものでレースではないですが、だからといって速さが必要ないかというとそうではなく、認定試験だからこそ失敗しないためには十分な走力が必要です。もう一つ、休憩所無しで80km程度は一気に走りきれるようでないとやはりきついでしょうね。
  2. 事前に1000km以上の距離を走行する
    各地のコースを見させて頂いていますが、最近の 600kmではかつての600kmの比ではないほどきついところもあります。しかし、2日辛いのと4日辛いのは様相が違います。内臓などへの負担も含め、一日中走ることを3日以上繰り返すことを経験しておかないと厳しいと思います。実際、PBP完走者のかなりの部分はあらかじめ1000kmを単独で試走したり、海外で完走したりしています。
  3. 寒さ対策
    暑さは日本で走っていれば大抵大丈夫だと思いますが、PBPで驚くのは夜の寒さです。1日目は丸々走ってブレストまで行ったので気づきませんでしたが、2日目は夜走っていて道に迷い、その結果補給も尽きて体温が下がりました。そのときの気温が7℃です。 PBPまでかなり絞り込んで体脂肪はかなり落としていたこともありますが寒さで歯が合わなくなり、夜ガレージで応援してくれている人たちにコーヒーと食事をもらい、さらに日が出るまでガレージで毛布借りて寝させてもらいました。ここで大量の時間をロスしました。単純に考えてもここで5,6時間使っています。もしこの区間を普通に乗り切れれば、と悔やまれるところです。防寒対策は十分考えていたつもりでしたが、それでもかなり甘かったということです。
  4. あと、これは日本としての態勢の問題かもしれませんが、あらかじめ渡していた補給があてに出来ないとちょっと辛いです。装備チェンジが最低でも2回は出来るようで無いとちょっと厳しいと思います。
感銘を受けたこと
やはり自転車への愛情でしょう。日本でいつも厳しい目で見られていた自転車乗りが突然暖かい目で見守られたら熱くなリます。

それから、高齢ライダーの強さです。70くらいと見えるおじいさんが登りで1100km以上走ってからするダンシングの力強さ。最後このおじいさんの子や孫と思える世代の人たちが途中から次々と加わってゴール付近では大集団になりました。それほど速くなかったので先を急ぐか迷いましたが、最後までこの集団と走りました。最後このおじいさんは泣いていましたが、皆この快挙を讃えていました。自転車を下りるとこのおじいさんは歩くこともままなりません。ゴールはこの集団の最後にしました。でもよく考えれば、70くらいに見えるおじいさんが70時間でPBPを走破するのは今の日本ではありえないように思えます。今でも走りながら撮ったこのときの写真は持っています。夕暮れだったので写真が暗いですが。

自分も70歳以上になってPBPを走破するのが夢の一つです。

事故後に感じたこと
▲'02年にSR取得後、その年の夏にはカナダのトロント・オタワ・トロント(TOT)を完走した内海さん。'03年PBP完走(70時間16分)、'04年夏に事故で危篤、ICUに1カ月近く入っていたが、驚異的な回復力で周囲を驚かせた。現在はリハビリを兼ねたランニングで40〜50km走る。自転車への復帰は未定。
事故後、10ヶ月経って退院し、AJのメーリングリストに投稿をしたときに、 PBPを完走するくらい心臓を鍛えていたおかげで生き残ったのかもしれない、と書きました。

その後何人かの方からレスポンスがあり、「PBPを完走するくらいだから事故も乗り越えられたのでしょう」というように書かれた方もおられます。

しかし、実は私が感じていたのは逆のことです。

PBPはせいぜい4日です。しかも最初はフレッシュ。苦しんでもたった3日です。今にして思えばPBPのときに自分が感じた「死にそうだ、辛い」は辛いうちには全く入ってないと思います。そういう意味で、次にPBPを走ることがあればもうちょっと余裕を持って走れるのではないかと思っています。

#追い込んで走ることとは別ですが。

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