我1,200kmをかく走行せり(内海太祐 2003.8 記)
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5. LOUDEAC - CARHAIX PLOUGUER (迷子I) | |
丘を越えてこの十字路に戻ってくるとちょうどオダックスUKの集団がやって来たのでその集団に乗ることにする.この集団は登りがかなり速く,しばらく走るとデンマーク人もいなくなり,UKの人々と走る.するとしばらくしてシークレットコントロールに到着. すると泉さんが「あれー,どうしたの?」と声をかけてくる.彼はすでにチェックを済ませて出発するところだったようだ.「道間違えまして」と言うと「また〜」という顔をして「結構間違えたんじゃないですか?かなりゆっくり来ましたから」と言った後「先に行っています」と言った.LOUDEACを出て間もないので私もそのままスタンプを押してもらって再スタート. 走り続けていればそんなに大きな差はつかないが,迷ったりすればあっという間にその差は無くなる.迷ったときは速度も落ちるし,位置確認などもあるので経験的には通常の平均速度は半分以下に落ちる.ましてやそれでもとの位置に戻るだけなのだから時間と体力の損失は大きい.だが,これも既に慣れっこな私はほとんど落胆することなく走りはじめる.まぁ,何事も練習です. さて,山の中を淡々と走っているその時である.前方から車とオートバイがやってきたと思うと,あっという間に10人程度の集団が通りすぎていった.一瞬呆気に取られたが,これは折り返してやってきた連中らしい.「これは完全なレースだな.こいつら本気で1,200kmでレースしてるよ」とちょっと目眩をしそうな感動を覚えてしまう.本当に日本の100kmちょっとのアマチュアレースのようなスピードで走り抜けていったのではないだろうか?(それがどんなスピードか知らないけど) 翻って自分の弱いこと… と今更嘆いてもしょうがない.私はマイペースで行くしかないのである.しばらくして泉さんを捕えてしばらく折り返しの集団の話をした後再び別れて進む.やがて暗くなり,少し眠くなってくる.UKの集団もばらけてしまい2人のUKのおじさんが私の前方におり,それをつかまえて10m くらい後ろをつくと少しずつ前にいる人を抜かしていく.前のおじさん2人のライトが車のテールランプに見えてきたりしたので,眠気が進行しているなとは思ったが,このまま一人で走るよりはましだろうと思ってついていく. 完全に日もとっぷりと暮れて真夜中になった頃 CARHAIX PLOUGUER に到着.コントロールでサインして帰ってゴハンを買っているとと泉さんも到着.しばらく一緒に話しているが,泉さんは固形物が喉を通らなくなったらしく,携帯したカロリーメイトがほとんど役に立たなくなったらしい.ポタージュに塩を入れて,フランスパンを漬け込んで食べている.うまいものではないが,とりあえず押し込むにはいい方法だろう. 食べ終わると泉さんはしばらくその場に突っ伏してしばらく寝ることにしたようだ.私もそのままさっさと行く気力は無かったので夜に備えて付き合う.しばらくして起き出していよいよ折り返しの地BRESTへ向かう. |