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オダックス埼玉
22. リタイヤ
自分でサンカンタンまで戻らなきゃいけない

リタイヤしても主催者による回収はなく、自分の力で戻らなければならない。前回、日本チームのリタイヤ者はどのように戻ったのか。電車、他国のバスに頼んで乗せてもらった、自走などである。早い段階で体調不良によりリタイヤ、病院に運ばれたが翌日元気になり、モンサンミッシェルに観光、みんなが戻ってくるのに合わせて再び走ってサンカンタンまで戻った人もいた。また、別の人はやはり体調不良で入院、そこからヒッチハイク、電車を乗り継いで帰った人もいた(詳細はこちら)。コントロールによっては電車の時刻表などの情報が張り出されているところもある。

ルディアックに張り出されていた公共交通機関の時刻表。リタイヤ後の足はコントロールで情報を集めるのがいちばん。
まったく回収車がないわけではなかった。コース途中で体調不良により走れなくなった人をコントロールまで運んでくれることもある。また、帰りのヴィレン・ラ・ジェル手前ではオフィシャルのクルマが深夜コース途中で待っており、走ってくる人たちを止めてはコントロールまでクルマに乗るかどうか尋ねていた。乗った人たちもいるし、走りたいといえば走らせてくれた。モルターニュでは回収バスが1台いた。ただし、これらは制限時間ギリギリ、あるいは過ぎた頃であり、たまたまいただけかもしれないし、モルターニュの回収バスがオフィシャルのものだったかどうかは知らない。回収はないと思った方がよい。

なお、途中リタイヤしてもACPは関知しないし、参加者一人一人の行方を把握しているなんてことはあり得ない。ACPが参加者の動向を把握できるのは、あくまでもコントロールで磁気カードを通し、通過タイムが記録された時点のみである。コントロールでのリタイヤならまだしもコース途中でリタイヤすれば、通過タイムの記録が更新されなくなるだけで、ACPにはその人が自分の意志でリタイヤしたのか、何らかのトラブルで走れなくなったのかということまではわからないのである。もっとも、大きな交通事故ならわかるかもしれない。レギュレーションにも、リタイヤするときにはACPに届けろとはどこにも書いてないし、4000人以上が参加するPBPにあってそんなことは不可能である。深夜、民家がまったくない郊外を単独走しているときに、もし犯罪に巻き込まれたらどうなるのかと恐怖感を抱いたことが一度だけあった。オフィシャルのバイクが巡回していることもあるが合わないことのほうが多い。リタイヤしたら自力帰還はもとより自分の身は自分で守らなければならないということだ。私の場合(白木)には日本人と一緒に走るチャンスはなかったが、ほとんどは外国人の集団と走り、深夜単独走したのは最後の夜の1〜2時間で済んだ。

制限時間を過ぎても走っている人たちはたくさんいた。走りたければ走ればいいのだ。しかし、すべて自分の責任である。もし、リミットを大幅に過ぎても戻らないとき心配してくれる仲間を作っておくのは大切な気がする。

BRESTで19:30にリタイヤして、CARHAIX-PLOUGUERまでルート通り走り、ここからGUINGAMPへ行きTGV12:49発でPARIS16:10着16:38発St Quentin-en-Yvelines行きに乗り継ぎ17:15に到着した。TGVに乗り込むのに自転車は輪行袋に入れる必要があるので常に持ってました。(菅 利治)

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