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オダックス埼玉
1. 参加者データ2003年PBPはこうして終わった
世界25カ国4000人の自転車好きが集った

4年に1回開かれるパリ・ブレスト・パリ・ランドヌールの第15回が行われたのは2003年8月。エントリー数4185名、スタートラインに立ったのは4069名だった。下の表は'04年1月にACPが公表した国別完走者数を元に完走率を出したものである。日本の数字が計算と合わないのは、完走者男性12名とあるが、実際には11名であるため。また、ACPのデータでは女性1名と記されていたが、残念ながら前回完走した日本女性はいなかった。ちなにみに、日本以外の国からエントリーした日本人もいるが、日本の数字には含まれていない。全体の完走率は85%である。

国別完走率
参加国
参加者数
完走者数
完走率
合計
男性
女性
合計
男性
女性
全体
男性
女性
France
2005
1895
110
1680
1583
97
84%
84%
88%
Etats Unis
458
390
68
400
344
56
87%
88%
82%
Grande Bretagne
346
326
20
303
290
13
88%
89%
65%
Italie
214
198
16
181
171
10
85%
86%
63%
Allemagne
195
191
4
172
169
3
88%
88%
75%
Danemark
188
183
5
161
158
3
86%
86%
60%
Espagne
167
163
4
149
147
2
89%
90%
50%
Belgique
84
80
4
69
66
3
82%
83%
75%
Canada
83
64
19
70
56
14
84%
88%
74%
Australie
81
77
4
68
66
2
84%
86%
50%
Hollande
63
63
0
58
58
0
92%
92%
-
Suede
50
48
2
41
39
2
82%
81%
100%
Russie
24
23
1
17
17
0
71%
74%
0%
Norvege
20
20
0
18
18
0
90%
90%
-
Japon
20
16
4
12
12
0
55%
75%
0%
Suisse
15
14
1
14
13
1
93%
93%
100%
Autriche
15
15
0
12
12
0
80%
80%
-
Afrique du Sud
12
10
2
11
9
2
92%
90%
100%
Grece
11
9
2
6
5
1
55%
56%
50%
Finlande
7
7
0
5
5
0
71%
71%
-
Bulgarie
6
6
0
5
5
0
83%
83%
-
Irlande
3
3
0
3
3
0
100%
100%
-
Bresil
1
1
0
1
1
0
100%
100%
-
Luxembourg
1
1
0
1
1
0
100%
100%
-
Ukraine
0
0
0
0
0
0
-
-
-
Etrangers
2064
1908
156
1777
1664
113
86%
87%
72%
TOTAL
4069
3803
266
3457
3247
210
85%
85%
79%

1200km、こんなバイクで走った

バイクの種類 完走者数(人) ロードバイクが圧倒的多数。ロードバイクの中にはレーサー、ランドナー、クロスバイクなども含まれている。以外に少なかったのはMTB。日本参加者の中にはMTB、しかもブロックタイヤで1200km走った人が1名いたが、データ上ではロードバイクになっていたので、実際には数字よりもう少し多いかもしれない。しかし、そうしたことを考慮してもMTBはほとんど見かけなかった。目に付いたのはタンデムとリカンベント。velo specialがリカンベント。TCはよくわからないが、キックボードのようなものではないか。走っている姿を見たし、完走しているからすごい。ちなみに、2003年のPBPレギュレーションには人が動力であればどんな種類の自転車でもよいとある。

(データはカナダのBC Randonnuersサイトを参考にした)

ロードバイク 3297
MTB 7
タンデム 106
TC 5
トリプレット 3
velo special 39
合計 3457

使用バイクはロードが中心。泥よけをつけているバイクも多かった。荷物はキャリヤーにバッグ、フロントバッグが多かった。小さなサドルバッグひとつという人たちもいたが、たいていは速い人たちだ。リカンベントの数も多く、カウル付きはとくに目立っていた。

日本ではめずらしいタンデム
ライダー 女性2人 男性2人 男女2名 男性1名 男性3名 合計
台数 1 15 37 1 1 55
人数 2 30 74 1 3 110
割合 2% 27% 67% 2% 2% *トリプレット1組
*データはACP公表の全完走者リストよりピックアップした
日本ではタンデムが禁止されている地域が多く、あまり見ることはないが、PBPでは54台が完走した。ライダーはカップルが多く23組は名前から推測して夫婦のようだ。下りになるとまるで戦車のように加速して抜いていくのに何度も驚かされた。タンデムよりすごかったのが男性3人組のトリプレット、下りの速さは圧巻だった。

PBPの主役は50代

完走者の平均年齢は48歳。ちなみに、今年の埼玉ブルベ平均年齢は41歳で30、40代が主流で60代はわずか4人、最高齢者は70歳。日本では比較的若い人が多く、50代くらいでも「年だから」なんて言葉を聞くが、PBPに行けば50代はもっとも多い中堅といった感じである。60歳以上になると数的には減ってくるものの、実際に走っていると彼らの存在感は大きい、コントロールでゆっくり仲間と会話しながら休息をとり、ビール、ワイン飲んで、走り出せば滅法速い、90時間たっぷりPBPを楽しむ余裕には驚きを通り過ぎて自転車観が変わった日本人参加者も多かったのではないか。70歳以上で完走した人は24人、74歳のフランス人は73時間でゴールしているのだ。

女性トップは41歳

41歳のアメリカ女性は54時間48分で完走。29歳のフランス人女性は57時間38分、他にも30代ふたり、40代ひとりが59時間台でゴールしている。そんなに速く走る女性たちはあまり多くないが、80時間台ならたくさんいる。女性最高齢者はフランスとイギリスの63歳がふたりで、85時間代、88時間台それぞれ走りきっている。「彼女たちは特別」と思うか、「時間いっぱい使ってやってみたい」「今からでも始めたい」と思うかは人それぞれ。

完走者の半分は80時間以上

PBPには44時間で走る恐るべき速さの人もいるが、半分近い人たちは80時間以上でゴールしている。閉会式では様々な表彰式があるが、トップでゴールした人の表彰はない。時間内に入ればいいのだ。とはいっても、トップ集団が折り返してくる走りを目の当たりに見たときには、単純にその速さに感動した。

90時間過ぎても諦めることはない

体調不良、メカトラ、疲労などいろんな理由でリタイヤした人は609名。リタイヤがもっとも多いのが往路のルーディアック。DNFのデータは公式には公表されておらず、BC Ramdonneursサイトのデータをもとにグラフ化したものだが、結果には正直言って驚いた。609人のうち20%が452km地点でリタイヤしているのだ。ababdonn とpass の2種類あるが、ababdonn はそのコントロールでリタイヤした人、pass はコントロールは通過したものの次のコントロールでチェックを受けなかった人たちだと思う。ゴール・サンカンタンの13名はarriveとなっており、ゴールまで走りきったがタイムアウトなどで認定を受けられなかった人たちだ。ちなみに、認定を受けられたのは90時間30分までにゴールした人たち。制限時間は90時間だが、30分遅れまでは認定されたのだ。2003年の距離は1225kmで25kmもオーバーしているから、その分が考慮されたのかもしれない。2007年はどうなるかはわからないが、時間を過ぎたからと行ってすぐに諦めることはないのだ。

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