最高のメンバーだった

仙台☆いただきカルテット (2)

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仙台☆いただきカルテットレポート (1) (2)

CP2からCP 3「セブンイレブン新白河病院前店」まで 郡山から白河(区間距離:43.9km)

郡山の街も暗くなってきた。そろそろ真剣に夜間走法を考えないといけない。
どこか温泉に入るか?いやお風呂に入っても、洋服が濡れていたら同じことだ。じゃ、乾燥させたら?それがいい。どこにする?コンビニのお店の人に聞いてみよう。


♪夜の郡山ぁ~、雨もすすり泣くぅ~♪

曰く、「国道4号線を南下したら、500mほどであるよ。」と、その言葉を信じて、では行ってみることにした。

しかし、国道4号を南下し、進めど進めど、それらしきお店は見つからない。 さすがに一同「????」である。

そのため別の近くにあるコンビニの店員に「この近くに健康ランドあるって聞いたけれど、ありますか?」聞くと、やはり「???」と怪訝そうな顔をされた。
それでは、「近くにそのようなお店を知っているかな?」
4キロほどバックしたところにあるらしいことを聞き、そこに行ってみる。
途中、桜咲く開成山公園脇を通り、交差点を左折すると健康ランドを発見。しかし、そこにはコインランドリーのようなものがなかったのである。そのため、すごすごと可能性の低い賭けをするかのごとく、コインランドリーを探そうと、もと来た道をバックする。すると、何としたことであろうか。おあつらえ向きのコインランドリーを発見しちゃったのである(反対車線を走っていたとは言え、全然気が付かなかったとは・・・(オホン!))。
そのコインランドリーには誰もいなかったので、すぐにお店を占拠して、洗濯・乾燥に勤しむこととする。店内のテーブルには自分達の荷物を広げて、乾燥の一助とする。

乾燥機でウェアを乾燥させたついでに、残り熱で濡れたお札なども乾燥させる。10分もするとあっという間に乾燥してしまったのには至極当然のことながら、笑ってしまった。


♪ただいま、乾燥中~♪

福沢諭吉:いやぁ、ホントに参った。やっと乾燥する事が出来る。
野口英世:そうですなぁ、郡山といったら郷里に近いが、こんなに濡れるとは思いませんでしたナ。わっはっは。

「只今、一時占拠中

2,3人のお客が出入りしていたが、怪しげな集団を察してか、洗濯物を洗濯機に入れると足早に去っていってしまった。左脇には、靴の乾燥機まであって、すこぶる自転車海苔向けのコインランドリーであることがわかる。

1時間ほどして、乾燥した服と靴を着用して、みな、気分一新となった。
「本当に温かい服を着ることは何と幸せなんだ」という感想から、人間生活において至極な当然ことが、幸せに感じる状況であった。
ここまで来て、雨もどうにか止みそうで、このまま進むことが出来そうである。
郡山から白河までは、ゆるい上り坂。
コインランドリーを出発して、国道4号線にぶつかったので、右折して、東京方面に向かう。最初は着ていた雨具も、20分もしないうちに、途中で脱ぎ去ってしまった。


「これから、すっ飛ばします」

ここから、少し“巻き”が入る。
スピードを上げないと、目的地には到着しそうにない。
そのため、時速30kmで走ることとする。

しばらく、延々と続く緩いのぼり道を高速進行して、白河市に突入する。白河市は、あの阿武隈川の上流部に位置しているとのこと。知らなかったぁ~。
などと考えていると、なんとかCP3「セブンイレブン新白河病院前店」に到着。
少し時間を短くすることが出来た。
ただ、深夜に差し掛かり、少し眠くなる。


「CP3で、コーラを飲もう」

本日、これまでの寒さでコーラを飲もうと言う気分にはならなかったが、体も温まり、ようやっとコーラでも飲もうかと言う気分になってきた。ぐびぐびと飲み干す。

CP3からCP 4「ローソン烏山旭町一丁目店」まで 白河から烏山(区間距離:55.0km) 

CP3からの上りは、それほど長くは続かなかった。


「いよいよ関東。栃木県に突入!」

国道294号線を数kmも進むと、県境に突入。境の明神を通り過ぎ、栃木県からすぐに下りが始まった。それも、追い風である。スピードが出ないわけがない。
下り坂なのに、体にぶつかる風をまったく感じないのである。
できれば続く限り追い風であってほしい。と願いを託す。

ずーっと下り。ずーっと追い風。これまで経験が無いほどの速さで次のCPへ向かった。
そして、少し道を間違える(大豆田丁字路交差点)ものの、CP4に到着


自転車海苔A:「なんちゃって、
CP4じゃないよーん」
自転車海苔B:「マジっすか?」

自転車海苔C:
「ここはCP4だぜ、ベイベー」


自転車海苔一同:
「よかったぁ~」


CP3からCP 4「セブンイレブン野田上花輪店」まで 烏山から野田(区間距離:113km) 

ここのCP4で酔客に絡まれるものの、静かなで交通量の少ない国道294号を南下する。


「真岡鉄道の踏切です。」

少し走っていると、あまりにも眠くなったので、道の駅で仮眠をとることとしました。
風をよけての15分程度。それも、座った状態での仮眠。
それでも、少しは疲れが取れたよう。


「国道50号線に出ました。」

暗い道を走って、岩瀬に到着。
あとはブルベ埼玉のルートで帰りましょ。


「空が明るくなり、
遠くに筑波山が見えます。」

左側には、筑波山が見え、やっと、空が拝めました。
これまでずっと雨だったので、ホント、この空を待ってました。


「朝焼け雲を眺めております」

やはり1日通して走っているので、そろそろ疲労が出てくる頃。しかし時間的には、  22時間目のコンビニにはちょっと微妙な状態です。そのため、少しでも早く走りたくなりました。でも、眠い・・・・。


「朝日も見えてきました。」

交差点を右折したところで、偶然にも神奈川チームと合いました。
古山さんが追いかけてきて、ピース。


ここで神奈川チームに出会えたのは、正直よかったです。
モチベーション復活!

少しずつ、「22時間目」という時間が迫っているなか、途中の交差点で足止めを喰らう。せっかく稼いだ時間も、ここで水泡に帰すことは避けたいけれど、後ろからも神奈川チームが近づいてきて、浮き足立つ。
そんな中でも、いつも1両編成で見かける関東鉄道も、この時は2両編成で、「ひょっとしてラッキー」などと楽観的に考えつつ、CPを目指す。


「振り返ると空が高く見えます。」

「信号よ。早く青に変われ!」

「美妻橋手前の菜の花」

「クゥー!この日差しを
待っていたんだ!」

ちょっぴり、間隔も開きつつ、でも直しながら、編成を立て直して、野田を目指す。
あー、日差しがまぶしい!などと、ドラキュラみたいな言葉を叫んでおります。


「芽吹橋です。」

「「あと少しで野田だ」
何とか間に合いそうだ。
それ、立ち漕ぎ~。

「野田線、ウゴー」

東武野田線の踏切を渡り、何とか「22時間目」の目標となる、CPに到着。
いや~少し時間に余裕があって助かった!
眠さとだるさの中でも、安どの表情を浮かべるメンバー一同であった。

ほっと一息。後は24時間目までがんばりましょう!
休憩していると、神奈川チームに先行され、慌てて後追いする。

CP4からゴール 野田から(区間距離:40.1km) 

あとは、ゴールまで一気に突っ走る。それも意外と時間を気にしながら、野田から25km以上あるかどうか、距離を気にしながら。さらにルートが重複しないかどうか気にしながら、ゴールを目指す。しかし、心は「走りきった」という気持ちが大きく占めていた。


「とりあえず、24時間先もゴール。」

何とか、ゴール地点にたどり着いた。
どんなにつらくとも、終わったら楽しい思い出しか浮かんでこない・・・。

実際の走行距離は、寄り道した距離を含めると400kmに迫る勢いだった。よく走ったと思った。それに、22時間目と24時間目の到着場所に気をつけなければならないことが、スタート直後から絶えず頭の中にあったが、それもようやく開放された、と思った。

普通のブルベと違って、いつも以上に時間に対し慎重にならないといけないからである。
それに、パンクや工事中による迂回などアクシデントがあった際に求められるリカバリーが無いと、全滅になることも容易に想定できる。

今回、スタート時からの悪天候と寒さで体力を消耗し、一時はゴールにたどり着かないかもしれないかもと頭の中をよぎったが、幸いにして自分達はラッキーだった。と、思っている。

何より、「仙台☆いただきカルテット」のメンバーは、助け合い、励ましあい、時にはオヤジギャグも飛び出すけれど、ゴールまで走りきることが出来た、とても素晴らしい最高のメンバーだったから。


「ほっとして、1枚。お疲れ様でした。」

レポート:仙台☆いただきカルテット/川田 日出夫  2008.5.16

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