最高のメンバーだった

仙台☆いただきカルテット (1)

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仙台からのアローズルート
Sendai-Itadaki-Quartet
(仙台いただきカルテット)
出走4人
スタート:9:00
宮城県/ローソン仙台定禅寺通店

出発前日(4月18日:金曜日)午後3時30分、職場を脱出して逃げる。

東京も仙台も雨だ。
それに明日も空模様が芳しくない。
先週の低気圧だったら。日本列島を時速30kmで通り抜けていたはずなのに、今回は抜けが遅い。太平洋側の高気圧にさえぎられているのか。
自宅で荷造りを終えて、JRに乗る。ご一緒させていただく佐々木さんが新幹線の切符を手配していただき、とても助かった。

しかし、それでも東京駅に間に合うか、ドキドキしつつ、何とか東京駅に到着する。
ちょうど帰宅ラッシュの東京駅は、足早に乗り換えする通勤・通学客でごった返し、自分が抱えた輪行袋はとても迷惑な存在に思われ、なるべく支障にならないように取り扱いに気をつける。
ここで佐々木さんと合流。
コートを着ている通勤客が多く見られる中、佐々木さんは相変わらずTシャツに7分丈のズボン姿で、「暑いねぇ~。」と言っている。

新幹線に乗ると、仙台に先着した河西さんから「ホテルでは自転車の持ち込みが出来ない~。」と連絡。直近でもホテルに「自転車を袋で入れておけば、問題なし」と確認しているから、大丈夫なはずだと答える。「?」な気持ちを抱えて新幹線は仙台へ向かう。
新幹線「はやて」は2時間もかからないうちに仙台に到着。ここで地下鉄に乗り、勾当台公園駅で下車。やっぱり雨の中、宿泊場所に到着。

輪行袋を持ち込み、チェックイン。河西さんからの「ホテルは自転車持ち込み禁止」の話を思い出し、ホテルのフロントには何も言わずに手続きを済ませ、鍵を受け取る。フロントからは何も言われず、無事に手続きを済ますことが出来た。「?」である。
さすがに佐々木さんも心配になったようで、「自転車持ち込みをちゃんと言わないといけないのでは?」のに対し、「聞かれないから、行っちゃおう」と部屋に入り込む。
そして、河西さんに連絡を取って、ようやく合流。
事情を聞けば、納得。仙台駅に到着後、雨の中、自転車を押してホテルに到着したらしい。河西さんにはとても気の毒である。

そして、仕事の都合で1本あとの「やまびこ」に乗車した菅田さんが仙台入り。
ホテルに到着すれば、菅田さんはスーツ姿!一同びっくり。普段(どっちが普段か?)と違った菅田さんの姿に、思わずみな、「かっこいい!」。
夜の仙台で、フレッシュ埼玉:チーム「仙台☆いただきカルテット」の前夜祭を行う。
仙台の夜の街並みを4人で眺める。外は相変わらずの雨模様で、一向に雨が止もうとしない。

「雨の定禅寺通り」

仙台の居酒屋は店じまいが早い。
気が付くと、お店の中は自分達4人だけ。店内では掃除も少しずつ始められていた。
別のお店に場所を移し、さらに自転車、ブルベの話で大いに盛り上がる。

「それでさ、やっぱりブレストが晴れててさ。」「そうそう。」


ホテルに戻ったのは、日付け変わった頃で、続いてホテルの大浴場に入り、布団にもぐりこんだのは午前1時30分。

さて、明日はどうなることやら。ベッドに倒れこむと、毛布も被らずにそのまま寝てしまった。

出発前(4月19日:土曜日)
出発当日の朝6時、目が覚め、テレビのスイッチを入れる。
天気予報が気になるところである。
NHKの天気予報では、宮城県全域は少なくとも午前中まで、雨が降る予報であり、強風もあるとのことである。おぉ、絶好(?)の自転車日和じゃないか~!

「やっぱり、まだ雨が続くのかぁ・・・」

「おまけに、風まで強いのか・・・」

「警報まで発令されているし・・・」

「確率はこんな感じ・・・むむむ」
ちょっぴり肩を落としながら、朝食に向かう。メンバーとは『空模様』の話題で持ちきりである。
朝食を終えて、いよいよ出発の準備をする。


「定禅寺通りはこのような状況

コンビニでレシートチェック
スタート地点で出発の準備をする。
仙台美人を捕まえて、写真を撮ってもらうが、間違いなく、仙台美人は「本当にこんな雨の中で、なにやってるんだろう。」と思われているに違いない。

「とりあえず笑顔を絶やさず。  カルテット一同」

雨具に身を固め(1名除く)、いよいよ仙台を出発!
佐々木さんは相変わらずの軽装で、正直、びっくらこいた。

スタートからPC1まで 仙台~梁川(区間距離:66.4km) 4月19日午前9時00分~

いよいよ出発である。雨は、極普通に降っている。どちらを見渡しても、自転車乗りは見つからない。そのほかに、何か良い景色を見つけるしかなさそうである。定禅寺通りを進んで、勾当台公園交差点を右折。すぐに国道4号線に出る。まだ。4号線バイパスに出ていないため、気分としては楽である。


「仙台の街中。国道4号線」

「福島まで75kmかぁ・・・」

JR長町駅の高架をくぐり、このあたりで考え始めたのは、「温泉に入るのは、24時間後??」ということ。
24時間先の「ほぇ~」と温泉につかり、体が溶けていく場面を想像していること。
ふだんはあまり考えもしないけれど、この日はちょっと違っておりました。

バイパスと合流した国道4号線は、交通量が多いばかりでなく、トラックからの雨の跳ね上がりをモロに受け、もちろん、雨水も飲み込んでしまった。

そのとき、佐々木さんのヘッドライトのバッテリーキャップが走行中に外れてしまい、そのキャップを拾おうとした佐々木さんの目の前で、後ろから来たトラックにキャップが「バキバキッ」と轢かれてしまうハプニングが発生した(幸い、佐々木さんはライトの予備があったので、走行に支障がなかった)。
あ~、ライトのキャップよ。安らかれ。合掌。

そんな精神的につらい国道4号線ともしばしの別れ。「下名生」の交差点で左折。ようやく、国道394号線に入る。

「雨が強くなってきたよぉ」

雨で増水した阿武隈川を渡り、気が付くと本来は左方向へ進むべきところ、右方向へ進んでしまい、国道349号線から県道5号線に入っていた。少し「?」と思いながらも、まだ交通量がそこそこあり、トイレ希望もあったことから、無理な方向転換はやめて、近くのコンビニに立ち寄る。

県道5号線の船岡付近はJR東北本線と並走するとともに、白石川に沿って咲く桜並木を鑑賞することのできる名所でもある。ちょっぴり道を間違えたが、結果、オーライ。その先の交差点で、交通標識の「角田」方面を目印に左折する。


「船岡付近は、鉄道の有名な撮影ポイントでもあります。」

「ホントは、陽の当たる桜が見たかったよ。」

県道110号線に入り、上り坂をゆっくり進む。
今回は、極力上り坂の無いコース設定だったが、桜鑑賞コースのオプションだ(笑)。
交通量が少なく、ようやく落ち着いて走り始めることが出来た。


「正規ルートじゃないけど、この道は『ブルベ』っぽいね」

「桜並木でござーい」

角田方面に走り始めると、高倉川沿いに咲く桜の並木を見るとこが出来た。
交通量も少なく、本当に雨ではなく晴れていたら、
何と素晴らしい景色なんだろうなぁとメンバー一同嘆息しながらも先に進む。
GPSと交通標識を確認しながら、ようやく角田の市街に入り、元のルートに復帰する。

「外から、中から、広告だらけの待合所」

少し寄り道をしたおかげで、角田の街中で、珍しいバスの待合所を発見したりもした。

「やっぱり、走ると笑顔になります」

交通量の少ないのんびりした道を走り、素晴らしい景色を眺めたり、いろいろな発見があると、たとえ空模様が雨であっても、なんとなく我慢できる。しかし今回は、雨脚は弱くなるどころか、逆に強くなったりしていた。せめてもの救いは、風が追い風であることぐらいだが、レインパンツを履いていると、引きつられてのペダリングは、少しながら負担が増しているのも感じている。

「なんでこーなるの?」

角田から丸森方面へ交通量も少ない国道349号線を進んでいると、怪しげな交通案内板が出てきた。どうもこの先、通行止めらしい。しかし、ここで引き返すことは考えていない。とりあえず行くところまで進むこととする。その先は、そこで考えればイイや。うつむき加減の状態で、ふと下を見ると、桜の花びらが雨で路面に舞っていた。

また、阿武隈川と合流する。
阿武隈川はこの雨で増水している。


「結構、いい水量ですなぁ。」

「阿武隈急行線の鉄橋が見えたりする」

この丸森から県境あたりにかけて、阿武隈川の対岸は、木々の中にちらほらと山桜が咲くとともに、低く垂れ込めた雲が、なんとなく水墨画のイメージを連想させるのである。


「雨の日の走行は、つらいのよ。」

「がけ崩れの現場も、桜が咲くと落ち着いて見えるのは、なぜ?」

国道349号線も通行止めの影響しているせいなのか、交通量が少なく、安心して走行できる。

「♪川の流れにぃ~、花びらをぉ~♪」

対岸を見ると、あちこちでがけ崩れに出くわす。
がけ崩れの岩から、噴水のように水が噴出している。
ちょうどこのあたりは、阿武隈ライン下りの名所である。

「あちゃー、ホントに進めないや、こりゃ。」

阿武隈川の景色をたっぷりと堪能していると、やがて通行止めの看板が見えてくる。
どうなるんだろうか?やっぱり、引き返さなければならないのか?

どうも話を聞くと、この雨でこの先が土砂崩れの危険性があることから、予防措置的に通行止めにしたらしい。途中の集落の人たちも通行しているようである。ならば、進めるかもしれない???
右側の道(県道24号線)を進むより、よっぽど“グ~”なのではないでしょうか??

オバチャン:「この先の迂回路は、自転車じゃ大変だよ。あんたら見てたら、気の毒になったから、通っていいよ。だけど、気をつけて通りなさい。」
自転車海苔:「自己責任で進みます~。」

自転車海苔A:「んで、んで、迂回路ってどーなってんの?」
自転車海苔B:「うひゃ、当社比1.3倍だ。」

そんなんで、気をつけて進むこととする。
(このルートを後ほど、平泉チームも通過するとは、考えもつきませんでした)

「ガッツだぜぇ~」

道路車線は1.5車線の区間もあり、3ケタ国道の面目躍如である。
通行止めとなっているため、交通量は極少で、その点は安心である。


「雨さえ降らなければなぁ~」

「雨だよなぁ~」

所々で桜が咲いているのに、残念である。晴れていることを想像しながら、先に進む。

「阿武隈急行線の阿武隈駅」

対岸には、阿武隈駅が見える。阿武隈ライン下りの駅だが、ライン下りの方は、本日お休み。この状態の中で舟下りしたら、めちゃくちゃ早いだろうなぁ。
桜並木と増水した川のギャップの差の激しさを感じる。


「いつもより多めに出しておりますぅ」

「♪岩~の印は、おととしのぉ~♪」
posed by Mr. Sugata

ちょうどこのあたりは狭小地となっていることから、長雨や台風シーズンになると、たびたび増水して、ここまで川が氾濫するのには、一同びっくり。
ちなみに、一番上にある平成14年7月11日がどんな天候だったかと調べてみたら、台風6号の影響だったことが判明。
上流に位置する福島県内でも浸水被害があったようだが、幸い死者が出なかったことはせめてものの救いであった(下は、関連するHP)。
http://www.thr.mlit.go.jp/fukushima/saigai/typhoon_06/200211_typhoon06_03/img/typhoon06_03.pdf

途中、草葉の陰で、お地蔵さんがサンタさんの格好して見送ってくれました。

お地蔵さん:「諸君、メリークリスマス!」
自転車海苔:「はい~ぃ?!」

途中で由緒正しい食料品店を発見!ひょっとして、いや間違いなく、ここも阿武隈川の増水時、水没するのではないかと思います。お店のすぐ左側にある岩に水位上昇の印があり、平成14年の際は、2階部分まで水かさが上昇してことを示していた。そのとき、商品とか、畳とか家財道具とかは、一体どうしたんだろうか??阿武隈川がお買い上げ?


「由緒正しき食料品店 やしまや」

「♪岩~の印は、おととしノォ~♪」
posed by Mr. Sasaki

「がんばれ!やしまや!」

由緒正しき食料品店「やしまや」。看板を見るに「テレビ・ラジオでおなじみの」とある。
台風シーズンともなれば、話題のひとつになるのであろうか。地元の人々にとって「おなじみ」なのかもしれません。

「♪あぁ~川の流れのように~♪」

途中、いくつもの道路が川状になっている箇所を越えながら、県境に差し掛かると、山あいの景色が、いつの間にか開けてきた。

「ようやく福島県に入りました。
キャッチフレーズは、『うつくしま福島』です。」

「振り返れば、大型車通行止め」

途中の看板を振り返ると、大型車は通行止めとなってました。
この区間は雨が降っていたものの、交通量は少ないうえ、自己責任で通行止め区間を通行することが出来たので、アドレナリンが噴出されて結構楽しかった。

「やっと、CP1に到着だぁ~」

冷たい雨の中、ようやくCP1(セブンイレブン梁川右城町店)に到着。汗と雨で体がびっしょり濡れていた。休憩するとたちまち体が冷えて、走る気持ちが削がれる。
佐々木さんは「寒いなぁ。」と言いながらも、相変わらず薄着です。CP1であるコンビニのオバチャンの会話がとても愉快だった。

CP1からCP 2「セブンイレブン郡山大町1丁目店」まで 梁川~郡山(区間距離:64.7km) 


「ここを、右折ぅ~。」

「国道4号線に入りますっ。雨でカメラのレンズも泣いてますっ」

福島市内から、もう一度国道4号線に入ります。
ここから、ちょいと上ります。ゆるい上り坂を数キロほど進むと、旧国道4号線の道が出てくるので、左折します。
この坂で、長距離走行が久しぶりの佐々木さんが疲れ始めたようです。
確かに、この上りです。疲れるのも納得です。


カーナビ:「ポーン。間もなく、左方向です。」

「ここを左に曲がります。」

いくら漕いでも、温かいのはペダルを漕いでるときだけ。ストップするとすぐに寒くなる。あ~、早く温泉に入りたい。
二本松の街に入ったものの、またロストコースしてしまい、国道4号線を走ることとなった。

と、途中でパンクしました。ちょうど良いところに地下道を発見。
このような立派な地下道を見て「夜になったら、ここで寝られるね~。」と異口同音に会話できるのは、立派なブルベサイクリストの証。まず尋常な人の口から出るコメントではありませんね(笑)。


「パンク修理をする河西さんと、
周りを取り囲むポンピング隊」

「このポンプ使うといいよ」

「修理終了!」

河西さんの自転車の修理が終わり、少しほっとしているところ。チューブラーだったんですね。また、菅田さんのエアーポンプのおかげで、すぐに終了しました。
そして、ここから予定ルートである県道355号線に復帰。


「あなたの街の自転車屋さん 国分輪店」

「チューブラー。あってよかったね。」

「エヴェレストです」

予備のチューブラーを求めて、南下しているとすぐに本宮町の自転車屋さんを発見。
「(無い可能性が高いケド)もしや。」と思いつつ、在庫を確認すると、「あるよ」との返事。
さすが、国分輪店!在庫が無い訳がないと思っていましたよ(←さっきまでとはエライ違い)。
ちょっぴりまけてくれました。
ここの自転車屋さんは、店主のコレクションまで飾っておりました。

当初、佐々木さんのアイディアで、本宮町から三春に行き、滝桜でも眺めようと言う腹積もりでもあったが、この最悪のコンディションと時間の経過では、少しばかり難しいと判断し、またの機会と相成る。

さてさて、気を取り直して、県道355号線を通り、一路、郡山を目指す。
さっきに比べて気温が下がってきたのか、肌寒さはいっそう増している。
漕いでいても寒くなってきた。一向に温かくならない。


「それ!郡山まであと少し!」

「この上り坂を越えると郡山の市街地です。」

「やたー!新幹線の高架が見えてきた。」

丘を越えると、郡山の街が見えてきた。
ここまで来て、ようやく雨の降りが弱くなってきた。
郡山の街に入り、渋滞を抜けつつ、ようやくCP2「セブンイレブン郡山大町1丁目店」に到着。


「やった。CP2だ。
ここで温かいものを食べよう!」

白木さん:「また、さぼってたんじゃないの?」
自転車海苔:「え!?どこでわかりました?」

「自転車海苔一同:「気をつけてほかのメンバーも元気付けてください!」

「さぶい、さぶい。温かいものを食べよう。」と全員『濡れねずみ』になりつつ、コンビニで食料を買い求める。
すると、われらの行動を察知していたかのように、スタッフ(白木さん、近藤さん、倉林さん)が到着。
われら一同びっくり。
いろいろと情報を頂戴し、元気も分けてもらう。
白木さん達は、次のチームを応援しに郡山を発った。

(2)へ続く

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